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元歯科助手による歯について専門的な知識を情報発信するブログです。

歯が揺れている?!歯に物が挟まりやすくなった?歯が長くなった? 【歯周病】

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悩んでいること。
最近、歯に物が挟まりやすくなったな。
歯がのびてきた。歯が長くなってきた。歯が揺れているな。

 

 

こういった悩みにお答えします。

 

 

 

本記事の内容

       
  • なぜ歯に物が挟まりやすくなるのか
  •    
  • 歯周病ってなに?~ 歯の状態が変わっているサインとは ~
  •    
  • 歯周病の治療方法は?
  •    
  • 歯周病は簡単に予防できる!

 

 

この記事を書いている私は、歯科医療従事者で職務歴10年以上の現役歯科助手です。(2020.1現在)かなり専門的な知識が身についているので、ある程度のことはなんでも答えることができると思います。

 

 

 

なぜ歯に物が挟まりやすくなるのか

歯に物が挟まる理由 

 

物が挟まるのにはいくつか理由があります。

 

 

✔ 虫歯で穴があいている

よく虫歯になる場所で歯と歯の間があります。歯と歯の間に穴があくことによって物が詰まってしまいます。

 

 

✔ 歯と歯の間に隙間がある

物理的に歯と歯の間に隙間があるとそこに物がはさまります。もともとすきっぱのように隙間があったのか、もしくは昔と比べて隙間ができてしまったのか。

 

今回はその後者、昔よりも隙間ができ昔よりも挟まりやすくなった方解説をしていきます。

 

歯周病ってなに? ~ 歯の状態が変わっているサインとは ~

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歯周病とは

 

まず、歯周病とはどのような病気か知っていますか?

歯周病顎の骨が溶ける病気です。字のごとく歯の周りの病気です。

 

健康な状態から末期の歯周病になるまでの流れは下記のとおりです。

 

健康な状態

歯肉炎

初期の歯周病

中期の歯周病

末期の歯周病

 

 

具体的にどのような状態になっているのか見ていきましょう。

 

 

健康な状態

 

歯の根っこは顎にしっかり埋まっており、歯肉はひきしまっているのが健康な状態です。

 

✔ 歯周病の検査 : 1~2mm

✔ 歯肉の状態 : 歯肉がひきしまっている

✔ 顎の骨の状態 : 変わりなし

✔ 痛み : なし

 

歯周病の検査とは

歯と歯肉の境目に細い器具を入れて何ミリ入るか1本1本調べます

 

 

歯肉炎

 

歯肉が赤くはれていたり、歯磨きすると出血する状態です。

歯肉炎ではまだ顎の骨は溶けていません。

 

✔ 歯周病の検査 : 3mm前後

✔ 歯肉の状態 : 歯肉が腫れている、歯磨きするときに出血することがある

✔ 顎の骨の状態 : 変わりなし

✔ 痛み : なし

 

 

 

初期の歯周病

 

ここから顎の骨が溶けはじめます。歯肉が赤く腫れ、歯磨きすると出血します。痛みはほとんどありません。

 

✔ 歯周病の検査 : 4mm

✔ 歯肉の状態 : 歯肉が腫れている、歯磨きするときに出血する

✔ 顎の骨の状態 : 溶けはじめる

✔ 痛み : ほとんどない

 

 

 

中期の歯周病

 

さらに顎の骨がとけて、歯肉の腫れや磨きするときの出血も増します。

 

✔ 歯周病の検査 : 5,6mm

✔ 歯肉の状態 : 歯肉が腫れている、歯磨きするときに出血する

✔ 顎の骨の状態 : さらに溶ける、歯が少し揺れる

✔ 痛み : あまりない

 

 

 

末期の歯周病

 

末期になると歯を抜きます。場合によって持たせれるだけ持たせることもあります。

 

✔ 歯周病の検査 : 7mm以上

✔ 歯肉の状態 : 歯肉がブヨブヨで腫れている、歯磨きするときに出血する

✔ 顎の骨の状態 : ほとんど溶けて歯を支えられていない、かなり揺れる

✔ 痛み : あり(ない場合もある)

 

 

歯周病の治療方法

歯石取り① ~ 歯肉より上 ~

 

まず歯肉より上の歯石やプラークを取ります。保険でこの歯石取りをするときは、上の歯と下の歯にわけてします。歯石取りをするには歯周病の検査が必ず必要です。

 

 

歯石取り② ~ 歯肉より下 ~

 

歯肉より下の歯石取りをする前に2回目の歯周病の検査が必ず必要です。通常、6ヵ所にわけて歯石取りします。

 

痛みがある場合は麻酔をして歯石取り可能です。歯周病の検査の数値によっては麻酔をしないことがあります。

 

 

歯石取り③ ~ 外科手術(FOP) ~

 

3回目の歯周病の検査をします。麻酔をして歯肉を切って歯石取りをし、縫合します。

 

歯石取り②でよくならない方、歯石を取るのが難しい方が対象です。歯周病の方のほとんどは歯石取り②までしています。

 

 

 

 

もくじ4歯周病は簡単に予防できる!

 

歯周病治療よりも予防が大切です。

なぜなら治療したとしても歯周病再発が非常に多いす。

 

歯周病は成人の80%の人がかかる世界を見ても1番多い病気です。予防は今日、今からでも始めることができます。

 

① 毎日の歯磨き

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毎日の歯磨きは食べ物の汚れカスを落としているわけではありません。

磨いていないと増殖するプラークを落としています。

 

また、食事をすると細菌のエサが増えるのでさらに細菌が増殖していきます。歯を適当に磨いても明日明後日や1,2年後などの近い未来にはほとんど影響がないかもしれません。

 

ですが、毎日正しい歯磨きをしないとあなたの5年後、10年後、20年後...は悲しい未来が待っているかもしれません。後悔しても遅いのです。溶けてしまった顎の骨は戻ってきません。

 

では自宅で歯周病予防のための歯磨きのコツをいくつかご紹介します。

 

✔ 集中して歯磨きをする(テレビを見ながらしない)

✔ 力をいれすぎず、小刻みに磨く 

✔ すべての歯を1本1本意識して磨く(歯ブラシが当たっていない歯、当たっていない面がないように)

✔ フロスや歯間ブラシなどを使う

 

 

プラークとは

細菌のかたまりです。

 

顎の骨を増やす治療

自然には増えませんが自費治療をうけると増やせます。数十万はかかります。

 

 

プロにお願いする

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歯科医院で定期的にメンテナンスをします。

 

自分でどんなに頑張っても磨ききれないところは必ずあります。

歯石がつくと自分では落とせませんし、磨き残しが多いところを聞くのもいいかもしれません。 

 

 

 

 

最後に

 

いかがでしたか?「歯石やプラークが歯についている時間をいかに短くするか」が大切です。

歯と歯肉の境目から歯周病菌が侵入するので意識して磨いてみてください。5分~10分くらいはかかるはずです。

 

習慣づけるのは大変ですが、これから先の未来に向けて歯の健康はご自身で守るしかないのです。今気づけたあなたはとてもラッキーです。一緒にがんばりましょう(^^)/