歯周病とは【原因について徹底解説】
歯肉から出血する人
歯医者さんで歯周病と言われた人
歯磨きするときに血が出ることがあるな。
歯医者さんで歯周病と言われた。
歯周病って聞いたことあるけど、どんな病気?
若いからまだ関係ないよね?
こういった疑問にお答えします。
本記事の内容
この記事を書いている私は、歯科医療従事者で職務歴10年以上の現役歯科助手です。(2020.2現在)かなり専門的な知識が身についているので、ある程度のことはなんでも答えることができると思います。
歯周病はどんな病気?
歯周病は成人の80%がかかっているといわれている細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。
歯を失う原因の1位にもなっています。
また、全身疾患にも影響を及ぼすと言われています。
歯周病は大きく分けると歯肉炎と歯周炎の2つの状態があります。
まずはそれぞれの歯肉の状態や症状について詳しくご紹介します。
また、実際に来院した患者さんのお口の中の状態も合わせてご紹介します。
歯肉炎
歯肉炎とは歯肉に炎症が出ている状態です。(まだ炎症の範囲は歯肉にとどまっている状態)炎症の度合いは比較的軽度で、丁寧な歯磨きをすれば炎症が落ち着くことが多いです。痛みはほとんどありません。
歯肉炎の炎症
✔ 歯肉が赤く腫れている
✔ 歯磨きすると出血する
ただし、歯肉炎の状態を放置しておくと状態が悪化し、歯周炎になります。
歯周炎になると元に戻ることはありません。
歯肉炎になっている患者さんの特徴
・小さなお子さん~ご年配のかたまで幅広い方がかかっています。
・特に小学生~30代の男女問わず非常に多いです。
・自覚症状がなく虫歯治療希望だったり、どこかに痛み(歯肉炎とは関係ない痛み)があって来院する方が多いです。
・歯肉の炎症が全体的にある方はお口の中が汚い、歯磨きがほとんどできていないという印象です。
・年齢問わず虫歯が多いです。(虫歯がない人も中にはいます)
歯周炎
歯周炎とは歯肉炎が悪化し、歯肉と歯を支える骨(顎の骨)にまで炎症がおこっている状態です。
この炎症とは歯を支える骨が溶けることを意味しています。
歯周炎の中でも初期、中等度、重度と段階を分けることができます。
歯肉炎と違い、状態が元に戻ることはありません。重度で末期になると抜歯をしなければいけなくなってしまいます。
歯周病の方の8割はほとんど痛みはないようです。
歯周炎の炎症
✔ 歯肉が腫れてブヨブヨしている
✔ 歯磨きをすると出血する
✔ 痛みがある場合がある(初期~中等度はほとんど痛みがないことが多い)
✔ 歯が揺れる
歯周炎を放置していると初期から中等度、重度と進行していきます。
歯磨きを頑張っても良くなることはありません。
状態を安定させ、進行させないことが重要です。
歯周炎になっている患者さんの特徴
・歯周病治療希望で来院する患者さんは40代以上が多いです。
・自覚症状がある方は歯周病による痛みや出血する、歯が揺れているという理由で来院します。
・自覚症状がなく虫歯治療など他の来院目的の方が8割以上だと感じます。
・歯周炎重度の方のレントゲンを見ると、歯を支えている顎の骨がかなり減っていたり、歯がないまま放置している人が多いです。
・歯が残っている本数が年齢の割に少ない。
・歯周病特有のきつい口臭がする。(本人は気づいてない人が非常に多い)
歯周病の原因
歯肉炎が進行すると歯周炎になり、歯を支えている顎の骨が溶けていきます。溶けた骨は戻ってきません。
ではどのようにして炎症が起きるのかその原因について解説します。
歯周病になるメカニズム
① 歯磨きが不十分だとプラーク(歯垢)が歯と歯肉の境目にたまります。プラークとは細菌の塊のことです。
② プラークが取り除かれないことによって細菌が繁殖し歯の周りに炎症を起こします。
歯肉が赤く腫れたり(歯肉がブヨブヨしたり)、歯磨き時に出血しやすくなるのは、細菌の毒素によって炎症を引き起こしているからです。
ここまでは歯肉炎で、丁寧な歯磨きで歯肉が引き締まります。
しかし、このまま放置していると元に戻らない歯周炎になります。
③ プラークが取り除かれていない状態が続くと石灰化して歯石にかわります。
プラークは歯磨きで取り除くことができ、歯石は歯磨きでは取り除けません。
歯石は歯医者で取ってもらわなければいけません。
④ プラークや歯石がたまると歯と歯肉の境目の溝(歯周ポケット)が深くなり、さらにプラークがたまりやすくなってしまいます。
溝が深くなると歯ブラシの毛先が行き届かないので歯周病を進行させる大きな要因になっています。
歯周病を進行させてしまう要因とは?
プラークや歯石を放置してしまう以外にも歯周病が進行してしまうことがいくつがありますのでご紹介します。
歯周病が進行する要因
① 喫煙
② 歯ぎしり、食いしばり(かみしめ)
③ 不規則な生活習慣(食生活)
④ ストレス
⑤ 不適合な被せ物
⑥ ホルモンバランス
⑦ 糖尿病や骨粗しょうや心疾患などの病気
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上記に当てはまるものはありますか?
少しでも解消できそうなことから始めていきましょう!
今からでも遅くありませんよ。
最後に
歯周病は幅広い年代の方に深く関わっている病気です。
歯がある限りは向き合っていかなければならないものなので、不安のある方は歯科医院で検査をしてもらうといいでしょう。
また、日々の歯磨きを丁寧にしましょう(^^)/
知識を得て歯を守る!
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