神経がない歯をホワイトニングで白くする【ウォーキングブリーチ】
歯が1本だけ黒くなっている人
神経がない歯はホワイトニングできないの?
神経がない歯の色が黒くなって気になるな。
コンプレックスだし、人前で笑えない...
こういった悩みにお答えします。
本記事の内容
- 神経を取るとなぜ歯が黒くなるの?
- 神経を取った歯はウォーキングブリーチで白くする
- ウォーキングブリーチのメリット・デメリット
この記事を書いている私は、歯科医療従事者で職務歴10年以上の現役歯科助手です。(2020.2現在)かなり専門的な知識が身についているので、ある程度のことはなんでも答えることができると思います。
神経を取るとなぜ歯が黒くなるの?
歯が変色する原因
神経が死んでしまうと数年後から徐々に歯の色が黒っぽく変色します。
✔ 歯をぶつけたことがある
✔ 虫歯を放置している(放置して神経が死んでいる)
✔ 虫歯が深く神経に達していた場合、神経をとる
などすると、歯の変色がおこります。
神経が死んでしまうとなぜ変色するのか
■ 歯の構造
変色するのは歯の内部からおこります。
歯の内部の構造は外側から
① エナメル質
② 象牙質
③ 歯髄(神経)
となっています。
象牙質は細い管がたくさんあって歯髄とつながっています。
その管を 象牙細管 と言います。
■ 神経が死ぬと歯の変色がおこる理由
神経が死んでしまうと、血液循環がなくなるために象牙質に含まれる水分やコラーゲンが古くなり、変性します。すると、象牙質(内側)の色が濃くなってしまい、外側から見ると黒く変色して見えます。
さらに詳しく
神経が通っている歯髄は血液も通っています。神経が死んでしまうと、象牙細管に入り込んだ血液の循環がなくなるので血液中の鉄分が変性して色が黒くなります。
象牙細管の中に入り込んでしまった物質が変色の原因となっています。
神経を取った歯はウォーキングブリーチで白くする
ウォーキングブリーチとは神経のない歯に対して歯の中にホワイトニング剤を入れて
内側から白くする方法です。ホワイトニング剤を歯に入れて蓋をして1週間ごとに薬剤をかえて数回おこないます。
詳しい手順は下記のとおりです。
① 歯の根っこの治療
まず、ウォーキングブリーチをする前に根っこの再治療が必要な場合は治療を先に行います。
なぜなら
歯を白くしても根っこの先に感染がおこると歯の裏から穴をあけて根っこの治療が必要だったり、最悪の場合、歯を抜歯しなければならない事態になるからです。
歯の感染リスクを限りなく低くしてからウォーキングブリーチをスタートします☆
※レントゲンの状態によっては治療が不要の場合もあります。
② 歯の裏から穴をあける
ホワイトニング剤を入れるスペースを確保するために、歯の裏を削って穴をあけます。エナメル質にいきわたるようにするためには削る量は多くなります。
✔ 前歯は歯の裏側から穴をあける
✔ 奥歯の場合は上(かみ合わせの部分)から穴をあける
③ ホワイトニング剤を入れる
削った穴にホワイトニング剤を入れて蓋をします。
1週間後にホワイトニング剤を入れ替えます。数回行って白くします。
④ 最終的なふたをする
満足いく白さになったら穴をふさいで最終的な詰め物を充填してウォーキングブリーチは終了です。
オフィスホワイトニングやホームホワイトニングではしろくならないのか?
少しはなるけど、効果はあまり感じられないので、ウォーキングブリーチする方が確実に白くなります。
ウォーキングブリーチのメリット・デメリット
メリット
✔ 神経が死んだ歯が白くなる
✔ 自分の歯を生かせる
デメリット
✔ 歯が欠けやすくなる(折れやすくなる)
✔ ホワイトニング剤が漏れることがある
✔ 痛みが出ることがある
✔ 数年するとまた変色する
※数年たつと周囲の歯や骨が溶けるという報告もあります。
最後に
ウォーキングブリーチはデメリットもあるので取り扱っている歯科医院は少なくなっています。興味のある方は歯科医院で相談してみてください。
ウォーキングブリーチの料金は自費治療になるので歯科医院によって違います。時間がたつとまた色が変わることがあるので、気になる場合は、セラミックの被せ物をおすすめします(^^)/
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